>中国甘粛省蘭州市で昨年夏、人獣感染症「ブルセラ症」の動物用ワクチン工場から菌が漏洩(ろうえい)し、周辺住民ら約3600人が感染していたにもかかわらず、当局が隠蔽した疑惑が浮上している。妊婦が中絶を余儀なくされるなど深刻な被害が出ていたが、実態を公表していなかった。結局、新型コロナウイルスと同じ構図の可能性がある。
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>ブルセラ症の原因となる菌の漏洩実態を暴いたのは中国誌『財新週刊』。中国メディアは「共産党の喉と舌」と呼ばれ、党の宣伝機関として統制を受ける。ただ同誌は党の実力者、王岐山国家副主席と密接な関係にあるとされ、当局側の不正や失態に切り込む数少ないメディアのひとつ。
>蘭州市当局がこの問題を最初に公表したのは昨年12月下旬だ。同7〜8月に国有企業傘下の工場で使用期限切れ消毒剤を使用し、ブルセラ症の原因菌が減菌されないまま空気に交じり排出。工場の風下にあった蘭州獣医研究所の職員ら203人の感染が判明したとの内容だった。蘭州市は、ブルセラ症菌が弱毒性で少量なため「人体の健康に被害は与えない」と説明した。
>だが同誌は公式発表とは異なる実態を暴いた。蘭州市は感染者を203人としていたが、実際は2月末に周辺の住民ら約2万人を対象とする一斉検査を行った結果、3000人以上の感染が確認されていたというのだ。
>同誌が直接取材した感染者40人以上のうち、20人近くは昨年夏から現在まで発熱や関節痛、疲労、睾丸炎などの類似した症状が繰り返し発生していた。
>ブルセラ症の診断は比較的難しい上、新型コロナウイルスをめぐる医療機関の混乱も重なり、確定診断を受けたのは2人だけだったという。病院をたらい回しにされるケースも多かった。
>最も深刻な被害を受けたのは妊婦だ。母子感染により流産の可能性があるとして、妊婦の意に反して早期の中絶手術を強いられたケースもあったという。
>同誌のスクープを受けて、蘭州市当局は翌日の9月15日、3245人の感染者が確認されたことをようやく認めた。10月10日には感染者が3669人に上ったとする調査結果を発表した。
>感染者の症状などに応じ、1人あたり計3785〜5万元(約6万〜80万円)の補償を行うことも明らかにしたが、住民の間には不満もくすぶっている。
>新型コロナウイルスでも情報隠蔽が取り沙汰される中国当局。習近平国家主席はこの事態をどう収拾するのか。
武漢肺炎も、リアルで押さえ込めているのやら… (´▽`*) アハハン♪
産経ニュース;中国でブルセラ症菌漏洩 ずさん管理、3000人が感染 2020.9.16 07:13
>中国甘粛省蘭州の衛生当局は15日、昨年夏、蘭州の製薬工場で動物用ブルセラ症ワクチンの生産工程でずさんな管理により菌が漏洩(ろうえい)する事故があったと発表した。今月までに関係者計約2万1千人の検査を進め、約3千人が感染したと確認した。全員に何らかの症状があったかは不明。
>日本の国立感染症研究所のサイトによると、ブルセラ症は家畜に多い人獣共通の感染症。人がかかった際の主な症状は発熱や倦怠感などがある。
>衛生当局の発表によると、昨年7〜8月、工場で使用期限の過ぎた消毒剤を用い滅菌が不十分だったため、汚染された空気が排出。工場の近くにある研究所で11月に人から菌の抗体の陽性反応が出て、漏えいが発覚した。
>当局は今年1月、工場のワクチン生産許可などを取り消した。7月から今月まで、初期検査で抗体反応が陽性だった人の再検査を実施した。健康面のケアや補償を実施するとしている。(共同)
